「一期一会」というと


どういう意味だと思うだろうか。

一般的には、

「初めて出会う人と、これで最初で最後かもしれないという気持ちで真心を込めて接する」

という風に言われていると思う。よくサービス業の仕事で入社式だの朝礼だので言われているのはこのニュアンスだろう。

高校ぐらいのころまでは、そういうニュアンスで良いと思っていたし、これは良い言葉だと思っていた。

が、後になってこの言葉を言った千利休という人がどんな人だったのかというのを知ってくるようになると、本当に利休はそういう意味で言ったのだろうかとちょっと疑問に思うようになってきた。

利休は単に芸事に優れていただけの人ではなく、秀吉政権の内々のことを取り仕切っていたほどの切れ者であり、太閤秀吉に無粋だと言ってのけたほどの剛の者でもある。そんな人が単純に心を尽くして人に接しなさいと優しげなことを言うだろうか。

ある説では、一期一会とは、ある瞬間はただ一度しか来ることがなく、やり直しは効かないものであるから、どのような瞬間であってもゆめゆめ一瞬たりとも気を抜いて疎かにしてはならない。とあった。
つまり、気を配るべきなのはゲストに対してだけではなく、二度とはこない機会(時間)や所作に対しても及んでいたのではないかと。

利休の生きた時代、立場を考えると、一瞬たりとも油断するなという意味の方が、心を尽くして人に接しなさいと言うのよりも合っているような気がする。